複数のターゲットを追跡する

Proプランでは、1つの動画に写っている最大3体のターゲットを、1回の解析でまとめて追跡できます。ターゲットには描いた順に1・2・3の番号と色が付き、解析結果もターゲットごとに作られます。Standardプラン・Freeプランで追跡できるのは1体です。

このページでは、複数のターゲットを見分けて追跡するための撮影の条件、設定の方法、解析時間の消費、結果の構成を説明します。ターゲットの囲み方そのものは1体のときと同じで、ターゲットを設定するで説明しています。

出力するのはターゲットごとの結果です。ターゲットどうしの距離や接触していた時間といった、個体どうしの関係を表す指標は含まれません。


見分けるための条件

Be-Chaseは、背景との差から動いているものを見つけ、それがどのターゲットかを、ターゲット設定で囲んだ画像の色と明るさで見分けます。そのため、次の2つの条件がそろっている必要があります。

ターゲットどうしの色か明るさが違うこと

体の色が違う個体(白・黒・茶など)は、そのまま見分けられます。白と黒のように明るさがはっきり違えば、色がなくても見分けられます。毛色が同じ個体どうしは、どちらかに体と違う色のマーカーを付けてください。

それぞれのターゲットが床と見分けられること

床と色も明るさも近いターゲットは、そもそも見つけられず、見失いが増えます。暗い床の上の黒い個体は、追跡できません。

次のような場合は見分けられません。

  • 毛色が同じで、マーカーを付けていない
  • 色も明るさも近い個体どうし(白と薄い灰色など)で、マーカーを付けていない
  • 白黒(モノクロ)や赤外線で撮影していて、明るさも近い(色が使えないため、手掛かりは明るさの違いだけになります)

撮影のコツ

マーカーの色

体の色とも、ほかの個体のマーカーとも、色味がはっきり違う色を選びます。赤・緑・青のように離れた色が向いています。薄い色やかすれやすい塗料は、途中で見分けにくくなります。

マーカーの大きさと位置

上から撮影したときに、体の1割以上の面積が見える大きさを目安にしてください。カメラから見える背中などに付けます。

床の選び方

黒い個体は明るい床で、白い個体は暗めの床で撮影します。白と黒の個体を一緒に撮影する場合は、どちらとも明るさが離れた中間の明るさの床を選んでください。体と色の近い床も避けます。

カメラの固定や照明など、1体のときと共通の撮影の注意は、うまくいかないとき(トラブルシューティング)の「追跡の精度」をご覧ください。


ターゲットを設定する

全員が離れて写る場面を選ぶ

シークバーとコマ送りで、すべてのターゲットが離れて、はっきり写っている場面に合わせます。重なっている場面や、一部が隠れている場面は避けてください。

すべてのターゲットの画像は、「設定する」を押したときに表示している1つの場面から取ります。ターゲットごとに別の場面を選ぶことはできません。枠を描き終えたら、再生位置を動かさずに「設定する」を押してください。

2体目以降を描く

1体目を囲んだあと、動画の上の空いている所をドラッグすると、2体目の枠が追加されます。同じようにして3体目まで追加できます。番号は描いた順に付き、枠の色は番号ごとに決まっています。

3体のターゲットを囲んだターゲット設定の画面。3つの枠を強調
白・黒・赤の3体を囲んだ例
3つの枠と、枠の上の番号と✕の札を拡大した画像。番号ごとの枠の色を見分けるための画像
枠の上の札の番号が、結果のターゲットの番号になります

枠の大きさや位置の調整は、1体のときと同じです。ほかの枠を動かすときは、その枠を押して選んでから調整します。

枠を消す

枠の札の「✕」を押すと、その枠だけが消えます。後ろの番号の枠は、番号が1つずつ繰り上がります。「設定クリア」を押すと、すべての枠が消えます。

保存する

「設定する」を押すと、すべてのターゲットがまとめて保存されます。解析設定トップには、ターゲットごとのサムネイルが番号付きで表示されます。

解析設定トップの「ターゲット」の欄を拡大した画像。3体のサムネイルと番号を見分けるための画像
解析設定トップのターゲットのサムネイル

警告の印が出たとき

2体以上を囲むと、囲んだ場面のまま見分けられるかが自動で確かめられ、心配な点があれば枠の下に警告の印が付きます。印にマウスを重ねると(スマートフォンでは印を押すと)、理由と対処が表示されます。

枠の下の警告の印を拡大した画像。左は「見分け困難」と「背景同化」、右は「見分け不可」と、印にマウスを重ねたときの説明。印の種類を見分けるための画像
警告の印と、マウスを重ねたときの説明

警告が出ていても「設定する」は押せます。解析を始めるかどうかは、印の種類で判断してください。

「見分け不可」

その組のターゲットを見分ける手掛かりがありません。このまま解析すると、ターゲットの番号が途中で入れ替わった結果になるおそれがあります。どちらかにマーカーを付けて撮影し直すことをお勧めします。

「見分け困難」

その組のターゲットが似ていて、重なったあとに取り違えることがあります。プレビューで様子を確かめてから判断してください。確実に見分けたい場合は、どちらかにマーカーを付けます。

「背景同化」

そのターゲットが床と色や明るさが近く、見失いやすい状態です。囲み方ではなく撮影の条件の問題なので、床を変えて撮影し直すのが確実です。

枠を動かしたり再生位置を変えたりすると、印はいったん消え、その場面で確かめ直されます。印は囲んだ場面の見え方で判断しているので、ターゲットがよく写っている場面を選び直すと消えることもあります。


プレビューで確かめる

複数のターゲットを設定したときも、解析の前にプレビューで確認するで、ターゲットを見つけられるかを試せます。結果には、ターゲットごとの認識率が並びます。

複数のターゲットのプレビューの結果画面。「認識率」の行を強調
複数のターゲットのプレビューの結果画面
「認識率」の行を拡大した画像。ターゲットごとの割合を見分けるための画像
ターゲットごとの認識率

認識率は、試した場面のうち、そのターゲットを見つけられた場面の割合です。別の個体の下に隠れていた場面も、見つけられなかった場面に数えます。 ターゲットどうしがよく重なる動画では、設定に問題がなくても認識率が低めに出ます。

場面の一覧では、見失ったターゲットと、別の個体の下に隠れていたターゲットに、番号付きの印が付きます。

場面を2つ並べた拡大。左は3体とも見失った場面の番号付きの「見失い」の印、右はターゲット2が隠れた場面の「重なり」の印。2種類の印を見分けるための画像
左:見失った場面 右:ターゲット2が別の個体の下に隠れていた場面

認識率の数字を押すと、そのターゲットについての見つけた・見失ったの表示に切り替わります。もう一度押すと、すべてのターゲットの表示に戻ります。

結果の見出しは、いちばん見つけられなかったターゲットで決まります。見失った場面が多いときは、見出しにそのターゲットの番号が示されます。認識率が低いターゲットがあれば、そのターゲットの枠の囲み方と警告の印、床との見分けやすさを見直してください。


重なったときの扱い

ターゲットどうしが重なったときは、上にいるターゲットの追跡を続け、下に隠れたターゲットは、再び見えるまで「見失い」として扱います。重なった2体の位置を両方とも失うことはありません。

見失っていた区間は、前後の位置から補わず、移動距離・滞在時間・停止のいずれにも含めません。1体の解析では1秒以内の見失いを前後の位置から補って集計しますが、複数のターゲットの解析では、見失いの長さにかかわらず補いません。


解析時間の消費

解析時間は、ターゲットごとに数えて合計します。それぞれのターゲットを検出できた時間の合計が、消費する解析時間です。3体を追跡した場合、解析範囲の時間の最大3倍を消費します。

  • 解析を始めるには、解析範囲の時間 × ターゲットの数だけの残りの解析時間が必要です。足りない場合は「動画が残り解析時間をオーバーしています。」と表示されます
  • 解析中は、解析範囲の時間 × ターゲットの数がいったん差し引かれ、解析が終わると、実際に検出できた時間の合計との差が戻ります
  • 解析結果の一覧に表示される解析時間も、ターゲットごとの時間の合計です

条件を変えて分析し直す(再分析)も1体のときと同じように使えます。消費するのは元の解析で消費した解析時間の5分の1なので、複数のターゲットの解析では、その分だけ多くなります。


解析結果

軌跡を画面で見る

「解析状況・解析結果」の一覧で、左端のサムネイルを押すと、軌跡画像が開きます。「すべて」では全員の軌跡がターゲットの色で重ねて描かれ、番号を押すとそのターゲットだけの軌跡に切り替わります。

軌跡画像の画面を拡大した画像。「すべて」と番号の切り替えと、3体の軌跡を色分けして重ねた画像
「すべて」を選んだ状態。1・2・3でターゲットごとに切り替えます

ZIPファイルの構成

ZIPファイルの中は、全員をまとめたファイルと、ターゲットごとのフォルダに分かれます。

trace_result.csv          全員をまとめた集計データ
trace_img.png             全員の移動軌跡(黒地、ターゲットの色で重ねたもの)
trace_img_line.png        全員の移動軌跡(背景の上に重ねたもの)
trace_result_all          全員の座標データ
target1/
  trace_result_target1.csv  ターゲット1だけの集計データ
  trace_img.png ほか       ターゲット1の画像
target2/
  ...
target3/
  ...

ターゲットごとのフォルダには、1体の解析と同じ名前の画像(軌跡・ヒートマップ・速さ・回転の軌跡、チェックエリアや分割時間を設定したときの画像)が入ります。各ファイルの内容と、まとめの集計データの形は解析結果の見方で説明しています。

設定ファイル

設定ファイルには、2体目以降のターゲットも一緒に保存されます。複数のターゲットを含む設定ファイルを読み込めるのは、Proプランの場合だけです。


うまくいかないとき

2体目を描くと「2 体以上の追跡は Pro プランでお使いいただけます。」と表示される

ご契約のプランで追跡できるのは1体です。2体目の枠は追加されません。

「ターゲットは 3 つまでです。」と表示される

1つの解析で追跡できるのは3体までです。4つ目の枠は追加されません。入れ替えたい場合は、枠の「✕」で1つ消してから描いてください。

プレビューや解析の開始で「ターゲットの設定がそろっていません。ターゲットを設定し直してください。」と表示される

保存の途中で止まったなどの理由で、2体目以降の設定が欠けています。ターゲット設定を開き、すべての枠がそろっていることを確かめてから、もう一度「設定する」を押してください。

プレビューや解析の開始で「2 体以上の追跡は Pro プランでお使いいただけます。」と表示される

複数のターゲットを設定したあとに、ご契約のプランが変わった場合などに表示されます。ターゲット設定で、1体目だけを設定し直してください。

途中でターゲットの番号が入れ替わる

ターゲットどうしが見分けにくい組み合わせです。ターゲット設定の警告の印を確かめ、マーカーの色と大きさを見直してください。囲んだ場面で個体が重なっていたり、一部が隠れていたりした場合も、見分けにくくなります。

特定のターゲットだけ認識率が低い

そのターゲットが床と見分けにくいか、別の個体の下に隠れている時間が長い可能性があります。場面の一覧で、そのターゲットの印が「見失い」か「重なり」かを確かめてください。「見失い」が多い場合は、床の選び方を見直してください。